教育研究
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻は、あらゆる天然物・人工物を研究対象とする「システム科学」における世界最大級の教育研究拠点であり、知のネットワークのハブとして国際的に重要な役割を果たしています。また、システム科学の教育研究を通じて、グローバル社会において難局に立ち向かう上で欠くことのできない領域横断型の人材育成を行っています。
システム科学とは?
システム科学とは、あらゆる天然物・人工物の解析または設計の局面において、分野横断的に現れる研究対象間の類似性、すなわち「システムの同形性」を数理的に洞察し、適切な定式化の方法論とその解法を探求する学問です。
システム科学は、20世紀初頭、巨大化した諸問題を解決するため、産声を上げ、紙と鉛筆で扱える伝統的な解析・代数などの数理をベースとしたシステマティックなアプローチを発展させてきました。
現代のシステム科学は、計算によって強化された数理をベースとするところに特徴があります。計算による強化とは、紙と鉛筆では厳密解が得られない問題や、揺らぎの影響が大きい複雑系などの問題を、並列度の高い高速計算機で高効率なアルゴリズムを繰り返し実行することにより、解決/洞察しようとするやり方です。
知能システム科学専攻の研究分野
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻では、「人間」を起点としてスケール別に設定した3つの分野に、数理基盤に関する研究を加えた4つの学問分野、
- 一人の人間の知性に関わるシステムを扱う「知能情報学」、
- 複数の人間からなる社会システムを扱う「社会システム学」、
- 人間を形作っている生命システムを扱う「システム生命学」、
- 数理基盤を扱う「数理情報学」、
を現代システム科学のフロンティアとして設定し、最先端の研究を展開しています。知能システム科学専攻の教員は、4つの分野を互いに関連したものとして捉え、複数の分野を横断的に研究対象としています。これにより、既存の学問を専門に扱っているだけでは成し得なかった新たな発見、付加価値の創出が期待できるのです。
知能システム科学専攻の人材育成
システム科学のプロに求められるのは、対象の背後に潜む事柄を抽象化し数理的に考察できる素養とセンス、および、具体的課題を解決した実践経験です。さらにグローバル社会では、異分野・異文化を背景とするメンバーと協力してグループで問題を解決する能力が不可欠です。
東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻では、基盤となる数理専門必修科目、個別分野の基礎・先端の5つのサブコース、異分野・異文化チーム問題解決科目によって学習課程を構成しています。また、修士論文研究では構想発表・中間発表・論文審査・ポスター発表、博士論文研究では中間発表・論文審査の各段階を通じて、指導教員以外からも評価・コメントのフィードバックを受ける客観的指標を重視して研究指導にあたっています。
知能システム科学専攻の教育ポリシーの詳細はこちらをご覧下さい。