東京工業大学 大学院総合理工学研究科
 知能システム科学専攻長 寺野 隆雄 挨拶

専攻長のご挨拶


ノーベル賞とノーベルと系志会


系志会の皆様には,ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。 日頃は母校ならびに知能システム科学専攻に対するご支援、ご協 力をいただき、厚くお礼を申し上げます。

さて、今年は、日本人(だった方を含めて)のノーベル賞科学者が 4名も出ました。これはすばらしいことですし、我々、大学の研究者とし ても非常に励みになります。しかし、知能システム科学専攻、ある いは、系志会の立場からは、ちょっと違うのではないかという気も します。

ノーベル賞は過去の業績に対して与えられるものです。知能とシス テムの分野で、新しい技術と学問を開拓していこうという我々の志 向では、過去の確立した分野にとらわれすぎるのはよくないと思う からです。

もともと、ノーベル賞は、ノーベルのダイナマイトの発明とそれに よって得た基金から始まりました。エンジニアとしての我々は、ノー ベル賞より、むしろ、ノーベルをめざすべきではないでしょうか? ダイナマイトのような技術によってもたらされる悲劇はもちろん避 けなければなりませんが!

技術そのものは中立です。しかし、危険でないものは役にも立ちま せん。そして役に立つものが富を産むのは健全な社会です。

系志会のメンバの方々から数多くのノーベルが誕生することを期待 します。私自身にも、その可能性がないわけでは..... やはりない でしょうね。

系志会の第7回目の総会は平成21年3月7日(土)を予定していお ります。この日は、受験生のための専攻説明会や、各研究室を紹介 するパネルも用意しますので、専攻内の最新の研究活動をご覧いた だけます。同時に毎年好評を博しているOBを中心とした会社説明会 を予定しております。

どうか皆様のご参加をお願いすると同時に、今後の皆様の益々のご 発展をお祈りいたします。

平成20年12月10日

知能システム科学専攻長

教授 寺野 隆雄